Instagramの投稿に「#自社名」だけを付けて満足していませんか。ユーザーは自分の興味関心に合った様々なキーワードのハッシュタグで検索をしています。そのため、自社投稿に関連するキーワードやユーザー目線のハッシュタグを選び、場合によってはオリジナルのハッシュタグを作成することが重要です。
本ブログでは、Instagramの「ハッシュタグの基本」と「選び方のポイント」について、企業アカウントの運用担当者向けにわかりやすく解説します。
Instagramのハッシュタグの基本をおさらい
まずは、Instagramのハッシュタグに関する基本ルールと役割をしっかりおさえておきましょう。
ハッシュタグのつくり
ハッシュタグの構造はシンプルですが、正しく入力しないと機能しないことがあるため、最初のうちはしっかり確認しながら投稿しましょう。

ハッシュタグは、「#(ハッシュ記号)」の後に文字を続けることで作成できます。一見似ている記号ですが、「#(ハッシュ記号)」と音楽記号の「♯(シャープ)」は異なる文字コードのため、注意が必要です。
Instagramや一部のSNSでは、全角の「#(全角いげた)」でも自動的にハッシュタグ化されますが、基本的には半角の「#(ハッシュ記号)」を使用することが推奨されています。見た目は似ていても正しく機能しない場合があるので気を付けましょう。
- 半角の「#(ハッシュ記号)」を使う。
- 「#」と文字の間にスペースを入れない。(例:#SNS運用 はOK、# SNS運用 はNG)
- $や%などの特殊文字はハッシュタグとして機能しないため不可。
- ハッシュタグとハッシュタグの間は半角スペースで区切る。(例:#SNS運用 #インスタ運用)
ハッシュタグの機能
「#(ハッシュ記号)」と文字を組み合わせるとハッシュタグ化され、ハイパーリンクが自動的に付き、タップすると同じハッシュタグを付けた投稿がソート表示されます。
簡単に検索できるため、同じテーマや興味を持つユーザーに投稿を見つけてもらいやすくするための仕組みです。
Instagramのユーザーから発生した言葉で、ハッシュタグで検索する行為を「タグる」と呼ばれるなど、Google検索のように使われる場面も増え、関心のあるテーマをハッシュタグで探すことが、若者を中心としたユーザー層の検索スタイルのひとつになっています。
企業アカウントにとっても、単なるキーワードの装飾だけでなく、「検索される入口」としてのハッシュタグの活用が求められていると言えます。
1投稿に使えるハッシュタグの上限について
それぞれ投稿形式によって、使用できるハッシュタグの個数が違うので確認してから投稿の準備をするといいと思います。
投稿形式 | ハッシュタグの上限数 | 補足 |
---|---|---|
フィード投稿 | 最大30個 | キャプション文に入力。 |
リール | 最大30個 | キャプション文に入力。 |
ストーリーズ | 最大10個 | ハッシュタグスタンプで設定. |
>>参考: Instagramヘルプセンター_Instagramでハッシュタグを使用する
2024年12月ハッシュタグのフォロー機能が終了
ちなみに以前のInstagramでは、アカウントをフォローするように、ハッシュタグそのものをフォローできる機能がありました。
たとえば「#渋谷カフェ」というハッシュタグをフォローしておけば、そのハッシュタグ「#渋谷カフェ」を含む投稿がフィードに自動で表示される仕組みで、様々なアカウントをフォローする必要がなく、とても便利なInstagram独自の機能でした。
一方で、無関係な投稿にトレンドのハッシュタグを使用し、リーチを拡大しようとするユーザーの増加が問題視されていました。その影響もあり、Instagram社は2024年12月をもってハッシュタグのフォロー機能を終了しています。
現在のInstagram社は、ユーザーの興味関心に合った投稿が表示されるようにアルゴリズムの改善に注力していることから、ハッシュタグの役割はタイムラインに投稿を流すための手段から「検索されるためのキーワード」へとさらにシフトして行くと推察されます。
今後は、検索されることを意識したハッシュタグ設計がより一層重要になると思われます。

Instagram社が推奨するハッシュタグの活用方法と注意点
Instagram社のクリエイター向け公式アカウント(@creators)で、ハッシュタグの使い方について、企業アカウントにも参考になる情報を発信しています(2021年9月28日投稿)。
特に注目したいポイントは、次の2点です。
推奨されるハッシュタグの数は「3〜5個」
Instagramでは、フィード投稿に最大30個までハッシュタグを付けることができますが、@creatorsによると、ハッシュタグを10〜20個付けても拡散効果は期待できないとのこと。効果的な活用のためには、関連性の高い3〜5個に絞るのが望ましいようです。
投稿内容に無関係なハッシュタグは避けるべき
拡散を狙って関係のない人気タグを付けたくなることもあるかもしれませんが、Instagram側はそのような使い方を推奨していません。やはり適切なタグ選びが、信頼性のある投稿につながるようです。
>>参考: creators(Instagram’s @Creators)/2021年9月28日投稿より

- コンテンツのテーマに関連するハッシュタグを使いましょう。
- ファンがすでに使用しているハッシュタグを確認しましょう。
- 知名度の高いハッシュタグとニッチなハッシュタグを組み合わせて、発見されやすさを広げましょう。
- ファンがあなたのコンテンツを簡単に見つけられるように、具体的なハッシュタグを使いましょう。独自のハッシュタグを作成することも可能です。
- ハッシュタグの数は3〜5個にしましょう。
- コンテンツと無関係なハッシュタグは使用しないでください。
- 多くの人が同じハッシュタグを使用しているため、コンテンツが見つかりにくくなるため、過度に一般的なハッシュタグは使用しないでください。。
- ハッシュタグを多用しないでください。10〜20個のハッシュタグを追加しても、さらなる拡散にはつながりません。
ここからは、ハッシュタグの選び方を解説していきたいと思います。
企業アカウントが意識すべきハッシュタグ選択
Instagramではハッシュタグの付け方によって、投稿のリーチやユーザーとの接点が変わってきます。
特に企業アカウントの場合は、ブランドの認知拡大や見込み顧客との接触を目的とした投稿が多いため、しっかりとしたハッシュタグ選定が必要とされます。
ここでは、企業アカウントが意識しておきたいハッシュタグの種類をご紹介します。

【社名タグ】商品名・ブランド名のハッシュタグは最低限入れましょう。
まず基本として、自社の商品名やブランド名をハッシュタグとして使うことは有効です。
たとえば、「#〇〇公式」「#ブランド名」「#社名」などは、ブランド検索をしているユーザーに見つけてもらいやすくなります。
ただし、これだけでは新規ユーザーへのリーチには限界があります。
すでにブランドを知っている人には届きやすくても、そうでない人には検索対象のキーワードになりにくいため、「社名タグ」だけで投稿することは避けたいところです。
【汎用タグ】ターゲットユーザーが検索しそうなビックワードを考える
Instagramのハッシュタグに、ユーザーが使用してそうな、かつ検索していそうなカテゴリーをハッシュタグにして付けることも大切です。
汎用性の高いビッグワードを使うことで、ユーザーが関心のある情報を、検索する可能性があるためリーチを広げる一助になります。
大枠のカテゴリー:「この投稿を見つけてほしいターゲット層の興味関心」
ユーザーにとっての関心事である大きなカテゴリーを想定し、実際にどんなキーワードで検索しているかを想像して選ぶことが必要になります。
例えば、春に福岡へ旅行する様子を紹介する投稿の場合:
大きなカテゴリーとしてのキーワードを想定し「#旅行」、「#国内旅行」などになります。
【関連タグ】投稿内容に合ったハッシュタグでリーチを広げる
「汎用タグ」で大枠のカテゴリーに露出できる一方で、投稿の内容に即した「関連タグ」を加えることで、より的確にリーチを広げることができます。
ユーザーがハッシュタグ検索をする際、「このハッシュタグを見れば、欲しい情報がまとまっているはず」という期待を持っています。
そこで具体的な、目的・場所・ノウハウなどに関連する具体的なキーワードを組み合わせることで、検索意図に合致した投稿として発見されやすくなります。
例えば、春に福岡へ旅行する様子を紹介する投稿の場合:
・場所に関するタグ:
「#福岡旅行」「#博多観光」「#糸島ドライブ」
・テーマや過ごし方に関するタグ:
「#女子旅プラン」「#春のおでかけ」「#博多カフェ」「#福岡グルメ」「#癒し旅」
企業アカウントなら【独自タグ】の活用も検討も
Instagramにおけるハッシュタグは、「検索されるため」のキーワードとして使われるだけではありません。
これまで紹介してきた「自社タグ」、「汎用タグ」、「関連タグ」に加え、企業発信でコミュニティ型のアカウント運用にするために、商品ブランドや自社ならではの「独自タグ」を設けることは、ファンとの接点を強化する一助になります。
また、Instagramで写真投稿型のUGC(※)キャンペーンを実施する際には、応募方法にハッシュタグの使用を組み込むことで、投稿数や拡散効果を高めることができます。ハッシュタグが企業アカウントとの接点としてユーザーに定着すれば、キャンペーン終了後も継続的に使われる「独自タグ」となる可能性があります。
※UGC :
User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略で、一般ユーザーが自発的に作成・発信するコンテンツを指します。具体的には、SNSの投稿、ブログ記事、レビュー、動画など、企業が作成したものではない、ユーザー自身が作成したコンテンツがこれに該当します。
- 投稿の蓄積と可視化:自社やユーザーの関連投稿が一覧で見られるようになり、アーカイブ閲覧に活用できる。
- コミュニティの形成:同じタグを使うことで、ファン同士が「つながっている感覚」が生まれる。
- ブランドの世界観づくり:ハッシュタグを合言葉のように設計することで、企業アカウントの雰囲気づくりとなり、イメージを楽しくしたり、クールに演出できる。
参考事例:ニコンイメージングジャパン公式(@nikonjp)
>>参考: ニコンイメージングジャパン公式(@nikonjp)
ハッシュタグ「#nikoncreators」
カメラ・レンズなどの光学機器を製造・販売するニコンの公式Instagramアカウントでは、ハッシュタグ「#nikoncreators」を活用して、ユーザーとのコミュニケーションを促進しています。
ニコン製カメラで撮影した写真にこのハッシュタグを付けて投稿するよう呼びかけることで、写真愛好家を中心に、作品性の高い投稿が数多く集まっています。
また、ユーザーが投稿したUGCを公式アカウントでリポストすることで、ファンとの接点を増やし、ブランドの世界観を共創する取り組みとなっています。

実際にハッシュタグを選定をする3つのアプローチ
どんなハッシュタグが検索されているのか、ユーザーはどんなキーワードをハッシュタグにしているのかを知るためには、以下のような手段があります。
①Instagramアプリで検索する
Instagramの検索窓にキーワードを入力すると、実際に使われているハッシュタグがサジェストされ、各ハッシュタグの投稿数も確認できます。これにより、幅広く使われている「汎用タグ」や、投稿内容に関連性の高い「関連タグ」がどの程度使われているかを把握することができます。
たとえば(2025年5月時点)、「#博多観光」で検索すると、約7.8万件の投稿がヒットします。あわせて表示される類似ハッシュタグと比較することで、より効果的なタグの選定に役立ちます。
※2025年5月時点、「#博多観光」をInstagramの検索窓で検索。
#博多観光:7.8万件
#博多観光スポット:1000件投稿以上
#博多観光グルメ:100件投稿以上
#博多観光地:100件投稿以上
#博多観光名所:100件投稿未満件

②ユーザーの投稿から採用する
自社の商品やサービスに関連する投稿で、ユーザーがどのようなハッシュタグを使っているかをチェックするのも有効な方法です。
実際の利用シーンで自然に使われているハッシュタグは、ユーザー目線に近いため、共感されやすく、発見性の高いキーワードである可能性があります。
中には、フォロワーやファンの間で自然発生的に使われているハッシュタグがある場合もあり、これは非常に価値のある資産となります。こうしたハッシュタグは、企業の公式アカウントでも積極的に取り入れることをおすすめします。
参考事例:手帳は高橋(高橋書店)(@takahashishoten_official)
>>参考: 手帳は高橋(高橋書店)(@takahashishoten_official)
ハッシュタグ「#手帳時間」
ハッシュタグ「#手帳時間」は、47.1万人(2025年5月時点)に利用されている人気タグです。
ユーザーが自身の手帳の使い方や、手描きのイラスト、デコレーションに使ったシールの紹介などを投稿する際に、このハッシュタグが活用されています。
手帳メーカーの高橋書店の公式Instagramアカウントでは、手帳をおしゃれに楽しむコツを紹介する投稿には、この「#手帳時間」を付けています。手帳ユーザーにすでに広く使われているハッシュタグに公式アカウントも参加することで、自然な形でユーザーとの接点を作ることができる好例です。

③Instagramハッシュタグ検索・生成ツールを利用してみよう
投稿に合ったハッシュタグを効率的に見つけたい場合は、下記の様なツールを活用すると便利です。
>>参考: ハシュレコAI+ (AI活用のInstagramハッシュタグ生成ツール )
まとめ:Instagramのハッシュタグを味方につけて運用効果を高めよう
Instagramにおけるハッシュタグは、自社の投稿を見つけてもらうための入り口であり、ユーザーとの接点をつくる重要な仕組みです。
運用においては、単に企業名やブランド名の「社名タグ」を付けるだけでなく、ターゲット層が検索しそうな「汎用タグ」、投稿内容に応じた「関連タグ」、自社オリジナルの「独自タグ」などを組み合わせて設計することをおすすめします。
ハッシュタグ種類 | 内容 | 主な目的・使いどころなど |
---|---|---|
社名タグ | 「#〇〇公式」「#ブランド名」「#社名」 | ・投稿に最低限入れる。 ・社名検索に対応。 |
汎用タグ | 一般的に広く使われているビックワード。大きなカテゴリーを想定。 | ・検索されやすくする ・新規ユーザーのリーチを狙う |
関連タグ | 投稿内容に関連するキーワード。具体的な特定ワード。 | ・投稿内容の文脈を補足 ・より精度の高い検索対策 |
独自タグ | 企業が戦略的に設定したキーワード。 | ・UGCの誘導・蓄積 ・ファンコミュニティ形成 |
話題のハッシュタグだとしても、関連していない場合は使用しない。
トレンドのハッシュタグであっても、投稿内容と関連性がない場合は使用を避けましょう。無関係なタグの乱用は、エンゲージメントの低下やアカウントの信頼性を損なうリスクがあります。
定期的にハッシュタグをチューニングしよう。
同じハッシュタグを繰り返し使用すること自体は問題ありませんが、投稿内容に応じてハッシュタグを最適化することも重要です。
「汎用タグ」は定期的に見直し、「関連タグ」は投稿ごとに調整するなど、継続的なチューニングを心がけましょう。
インスタグラムのアルゴリズムだけでなく、ハッシュタグ設計による「検索」という視点も味方につけて運用を行えば、アカウントの価値がぐっと高まると思います
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