「インスタ映え」という言葉が定着するほど、メジャーなSNSの一つとしてInstagramは成長しました。画像や動画による直感的なビジュアルコミュニケーションがベースのInstagramで、企業アカウントが運用で押さえておきたい特長などをまとめました。
Instagram(インスタグラム)の国内ユーザー数は3,300万人へと急成長
Instagramは2014年に日本語版がリリースされました。Facebookや当時のTwitterに比べ若干遅れての国内参入ではありましたが、国内ユーザー数は2015年の810万人から2019年には3,300万人へと急成長しました。
>>参考: 2021年12月8日Instagram for Business_Instagramの最新情報

国内ユーザー数が倍に成長し約6,600万に(2023年、数値非公開)
正確な数字は公表されていませんが、2023年11月開催の「Meta Marketing Summit Japan 2023」において、日本法人代表の味澤氏が、国内ユーザー数が2019年に発表された3,300万の2倍に達したと発表しました。このことから、約6,600万のユーザー数が推定されます。
>>参考: 2023年11月に行われた「Meta Marketing Summit Japan 2023」

Instagramユーザーは多様化が進んでいる。
当初はF1層(※)の女性ユーザーがメインでしたが、2019年6月のMeta社の発表によると日本のユーザーは男性が43%、女性が57%と利用者層の多様化が進んでいるそうです。
>>参考:2019年6月7日Meta ニュースルーム
Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
※F1層:
もともとは広告・放送業界のマーケティング用語でしたが、近年マーケティング用語として使われることが多く、20歳から34歳までの女性を指します。英語でFemale(女性)から「F」をとり、女性の意味を短縮化したワードとなっています。 この世代の女性は、最新トレンドに敏感で、消費意欲が高いためマーケティングには外せない層と言われています。
Instagramユーザーの各年齢でユーザー数が伸長
令和2年(令和3年発表)の総務省、情報通信政策研究所の調査によると、Instagramの利用年齢層については、10代〜50代においてX(Twitter)と並ぶ利用率で、40代では38.7%、50代でも30.3%と利用層が広がっています。
さらに令和4年(令和5年発表)のデータでは、各世代の利用率が伸び10代・20代は70%以上が利用し、40代も約50%の利用率となっている。
ユーザーの年齢層が広がり続けているプラットフォームということで、Instagramの企業アカウントが一般ユーザーとの接点が得られるSNSとして成長していることが分かります。
Instagram世代別ユーザー | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|---|
平成30年度調査 (2018年) | 58.2% | 63.2% | 44.0% | 35.8% | 24.4% |
令和2年度調査 (2020年) | 69.0% | 68.1% | 55.6% | 38.7% | 30.3% |
令和4年度調査 (2022年) | 70% | 73.3% | 63.7% | 48.6% | 40.7% |
>>参考:
「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」令和元年9月13日
「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」令和3年8月25日
「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」令和5年6月23日
Instagramは画像が命
気の利いたカジュアルライティングが求められるSNSの風潮の中、Instagramについては画像が大きく印象を左右すると言っても過言ではありません。投稿画像で視覚的に分かりやすい印象を与え、直感的にタップしてもらうことが必要となります。
一般のInstagramユーザーは、多くのフィルター機能を利用し、かつリサイズなどを駆使して画像に「おしゃれ感」を演出することに長けています。企業アカウントも、よりセンスのある画像投稿を求められています。 また、企業アカウントが投稿する画像によっては広告臭が出てしまうため注意が必要です。
Instagram(インスタグラム)推奨の画像サイズ
Instagramが指定するアスペクト比を超えると、アプリ側で自動的に下記の比率にフィットするようにトリミングされるので、投稿作業的には問題ないのですが、自動的にトリミングや拡大縮小されることで発生する画像の劣化を避けるためにも、解像度を最適サイズで作成することをお勧めします。
アスペクト比 | 最小解像度 | 最大解像度 | 最適サイズ |
---|---|---|---|
正方形(1:1) | 600 x 500ピクセル | 1,936 x 1,936ピクセル | 1080×1080ピクセル |
横長(1.91:1) | 600 x 315ピクセル | 1,936 x 1,936ピクセル | 1080×566ピクセル |
縦長(4:5) | 600 x 750ピクセル | 1,936 x 1,936ピクセル | 1080×1350ピクセル |
下記サイズ内であれば元の解像度が維持された状態で投稿されるので、
幅が320ピクセル〜1080ピクセルの場合、高さを566〜1350ピクセルで準備しましょう。
>>参考:
Instagramヘルプセンター_Instagramで写真をシェアするときの画像の解像度を教えてください。
Metaビジネスヘルプセンター_Instagramフィード広告のデザイン要件
加工アプリを利用しよう
投稿画像を作成する社内リソースがないSNS運用担当者の方には、商用利用も可能なアプリの利用をお勧めします。
Instagramのアプリ自体にも加工機能が充実していますが、画像加工アプリは推奨サイズをベースとした色々なレイアウトやフレームを提供しているので、ストーリーズなどの作成にも利用するといいと思います。
>>参考: Canva
Webブラウザでも利用可能です。多くのアレンジ可能なテンプレートが提供されています。
プロフィール画面のグリット投稿(分割投稿)
Instagramでは画像の表示を一覧化(プロフィール画面)すると、投稿した画像がスクエア型のタイル状に表示されます。アカウントのイベント感がアップするので、新商品やキャンペーンの時に企業アカウントも運用に加えると面白いと思います。
>>参考:マウントレーニア(Mt.RAINIER)
@mtrainier.official
食料品メーカー森永乳業のコーヒー飲料ブランドの一つ「マウントレーニア」の公式Instagramアカウントです。
こちらのマウントレーニアのアカウントでは、2マス(2投稿)や、3マス(3投稿)でグリット投稿をしています。よく見ると繋がっているという面白味もあり、参考にしたい運用です。

ハッシュタグでコミュニケーション
日本はハッシュタグを世界平均の5倍利用されている。
「House of Instagram Japan 2021」でのMeta Japan代表取締役、味澤氏の基調講演によると、日本のInstagramユーザーの特長の一つとして「ハッシュタグ検索」の利用が世界平均の5倍となっているそうです。
日本のユーザーは、コンテンツや情報収集のツールとしてInstagramを活用している一面が見えてきます。そのためか検索する行動を「タグる」という言葉が周知されました。

>>参考: 「好きと欲しいをつくるInstagram」House of Instagram Japan 2021レポートブログより
(※代表取締役 味澤氏による基調講演は2021年12月末まで視聴可能のオンラインイベントのため視聴は終了)
ハッシュタグについて
フォロワー以外のユーザーに投稿をリーチするためにもハッシュタグを工夫しましょう。
ハッシュタグは最大30個
1つの投稿に使用できるハッシュタグは最大30個です。31個以上のタグを含めると コメントを投稿できなくなるので注意が必要です。
>>参考:Instagramヘルプセンター
Instagramでハッシュタグを使用するにはどうすればよいですか。
検索表示される
ハッシュタグはハイパーリンクとなり、同じハッシュタグが記入されている投稿をソート表示できるため、興味のある情報収集に便利な機能となります。
ハッシュタグをフォロー(2024年12月13日をもって機能終了)
ハッシュタグをフォローすると、フォローしていないアカウントの投稿もタイムラインに表示させることができ、多くの類似情報を閲覧できる機能でしがたが、2024年12月13日をもって機能終了となりました。
上段のハッシュタグによる検索機能は残るため、ハッシュタグ文化が根付いていることもあり、キャプション文にハッシュタグを挿入することは、現時点ではまだ意味がある思います。
<例:#渋谷カフェ> ※現在は表示されていません。
「#渋谷カフェ」というハッシュタグをフォローすると、このハッシュタグを入れた投稿がタイムラインに表示されるため情報収集に便利でした。

Instagramは拡散性に弱い
SNSということで拡散性を期待されがちですが、Instagramには注意が必要です。
基本的に投稿はフォロワーのタイムラインにのみ表示される
基本的に、そのアカウントのフォロワーにしか投稿が表示されません。
例えば、X(Twitter)の場合、そのユーザーが「いいね」やリポスト(リツイート)すると、そのユーザーのフォロワーのタイムラインにも表示されます。しかし、Instagramの場合、そのユーザーが「いいね」をしても、そのユーザーのフォロワーには何も影響がありません。
キャプション文のURLはリンクが付けられない
正確に説明すると、キャプション文(本文)にはURLを文章として記入できますが、リンク化されないためWebサイトへの誘導などはできません。ちなみにストーリーズ投稿にはURLリンクを設定できますが、ある一定数のフォロワーを所持しているアカウントのみの機能です。
リポスト(リグラム)にはひと手間必要
X(Twitter)の様に面白い投稿などを、その場でワンクリックでリポスト(リツイート)して共有する機能が、Instagramにはありません。当記事では省略しますが、リポスト用アプリなどを活用することでリポストしやすくはなります。
またリポストする場合には、元のアカウントのユーザーに許可をとり、その元アカウントユーザーのコンテンツであることが分かるようにキャプション文内にアカウント名やユーザー名を加えて投稿しましょう。
企業アカウントだからこそ「プロフィール」を活用
Instagramユーザーの42%は企業アカウントのプロフィール画面にアクセスする
国内Instagramユーザーの42%は、興味関心をもった商品やブランドの企業アカウントのプロフィール画面にアクセスするそうです。プロフィール画面の工夫をすることで、さらに一般ユーザーに好感を持ってもらえるようになるとも言えます。

>>参考: 「好きと欲しいをつくるInstagram」House of Instagram Japan 2021レポートブログより
(※代表取締役 味澤氏による基調講演は2021年12月末まで視聴可能のオンラインイベントのため視聴は終了)
プロフィール欄にはURLが掲載できる
プロフィール画面の入力項目「ウェブサイト(URL)」で外部サイトへのリンクが設定ができます。自社Webサイトや、他のSNSのリンクも可能ですので活用をお勧めします。
2023年4月のアップデートで最大5個までリンクをプロフィールに掲載できるようになりました。それまでは1個だけしかリンクを設定することができなかったため、さらにプロフィール欄を工夫するチャンスができたことになります。
>>参考: Instagram社公式X(Twitter)アカウント、· 2023年4月19日投稿より

プロフィール文は150文字
利用してほしい指定のハッシュタグやキャッチコピー、キャンペーン情報なども加えるなど、定期的に更新することもお勧めです。
>>参考:アサヒビール @asahibeer_jp
大手ビールメーカーのアサヒビールの公式Instagramアカウントです。
ビールに合うメニューやレシピを紹介している運用をしています。自己紹介文では、ユーザーに使って欲しいハッシュタグを入れています。また偽アカウントなどの警告も入れ、一般ユーザーに共有しています。

Instagramは消費者の体験や行動が伴うSNS
一般ユーザーのInstagram投稿の変化
投稿の傾向は徐々に変化しつつあります。当初はF1層の女性が「リア充」ライフを公開する場所でした。キラキラした生活感のない投稿が多く、夏のホテルで過ごす「ナイトプール」の投稿が流行った時期もありました。
派手な「リア充」投稿に疲れたユーザーがナチュラルな生活やリラックスした生活を投稿するようになり、「#エモい」や「#チル(※)」というハッシュタグでの投稿が増えています。
※「#チル」
英語の「Chill out(チルアウト)」、冷静になる、落ち着く、ほっとする、ゆっくりする、遊びに行くという意味から、日本では「#ちる」や「#チル」というハッシュタグが広まった。

基本はユーザーの経験したことや知識の共有
画像が派手なイメージからナチュラルなものに変わっていますが、Instagramはユーザーが体験したことの共有が投稿内容のベースになっています。
興味深い点は、他のSNSよりもInstagramは実際に、その場所、その商品、そのサービスに接触・体験することで画像や動画となり投稿される傾向にあります。
企業アカウント側から一般ユーザーに、Instagramを活用して自社商材を体験したくなるよう導く情報発信をイメージして運用しましょう。
まとめ_弱点を理解して画像とハッシュタグでリーチを狙おう
今回は、国内ユーザー数も増加を続け大きなプラットフォームとなったInstagramの特長をまとめました。
Instagramは拡散性が劣るものの、ハッシュタグを工夫することでフォロワー以外の一般ユーザーと接点も得られます。また、昨年投稿したものが、ハッシュタグ検索により今年になってリーチを得られるのもInstagramならではです。
かつ、リール動画やストーリーズなどの機能も増え、Instagramはビジュアルコミュニケーションを更に強化しているので、コンテンツマーケティング的な活用方法がさらに成長しているSNSです。
企業アカウントはInstagramの弱点を理解しつつ、Instagramの特長を活用して、一般ユーザーとの接点を得る運用をプランして行きましょう。
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