Instagram企業アカウントでのUGC施策運用ポイント

ヘッダータイトル画像:Instagram企業アカウントでのUGC施策運用ポイント

SNSマーケティングでUGCを取り入れている企業アカウントが増えています。そこで、今回は、UGCとは何か、InstagramでUGCを実施するメリット、また、UGCをInstagramの企業アカウントでスタートさせる際の参考ポイントを事例と合わせてまとめました。

UGCとは

「UGC」とは「User Generated Contents」の略

ユーザーによって作成されたコンテンツのことで、 SNSだけでなく、ネット上に投稿された写真、動画や口コミサイトのレビューなども含むので、実はブログ記事や掲示板などの書き込み投稿もUGCということになります。

Instagramのユーザーについて

Instagramのユーザー数(アクティブアカウント)

2019年10月29日に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」で、世界で10億アカウント以上がInstagramを毎日利用しているとMeta(旧 Facebook)ジャパン社は発表しています。また国内では、月間アクティブユーザーが3,300万まで成長したことも発表していました。

参考画像:2019年10月29日に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」より月間アクティブユーザー数3300万と発表

国内ユーザー数が倍に成長し約6,600万に

正確な数字は公表されていませんが、2023年11月開催の「Meta Marketing Summit Japan 2023」において、日本法人代表の味澤氏が、国内ユーザー数が2019年に発表された3,300万の2倍に達したと発表しているため、約6600万に増加していると想定されます。

>>参考:   2023年11月に行われた「Meta Marketing Summit Japan 2023」

若者層にとってのメインメディアに成長

若者層男女(18~29歳)の利用では、他メディアよりもInstagramの方が総利用時間が長く、起床から就寝まで日常生活での利用率も高く、マスメディアよりも若者層にリーチすることが出来るSNSということが上段と同日に発表されています。

参考画像:2019年10月29日に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」より、若者層のInstagram利用実態

Instagramの投稿により8割が行動に移す

Instagramの投稿をきっかけに行動を起こしたことがあるユーザーが83%という調査報告もあり、Webサイトと連携して運用する価値があることも触れていました。

参考画像:2019年10月29日に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」より購買につながるアクションを促すInstagram投稿

>>参考: 
 ブルースクレイ・ジャパン 【Instagram Day Tokyo 2019】企業のInstagram最新活用を徹底解説
 Facebook newsroom「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」2019/06/07投稿

UGCをInstagramで実施するメリット

Instagramの特徴で、自身の体験を共有する文化があるため、UGC施策に向いていると言えるでしょう。
一般ユーザーによって生成されたコンテンツ(UGC)を閲覧した潜在顧客であるユーザーが、その商材について興味を持ち、認知し購入に至るというUGCによる循環が生まれるため、自社のオーガニック投稿だけでは得られない効果が現れます。

ここからはUGCの活用方法や、方針作成のポイントを事例と合わせてご紹介いたします。

UGC専用のハッシュタグを指定する

すでにハッシュタグ文化は一般ユーザーに浸透しており、商材ファンは利用した感想や体験を投稿するときに、指定ハッシュタグがあることで、他のファンに共有できることを察知し、さらに公式アカウントに見てもらえると理解しています。

ハッシュタグの選定

入力に手間がかかるものを避け、かつ商品やサービスのイメージに紐づくキーワードで立案し、すでに他社で利用されているハッシュタグではないかを確認しましょう。

指定ハッシュタグをプロフィール欄に掲載する

Instagram社によるとプロフィール画面にアクセスするユーザーの3分の2は、フォロワー以外だそうです。
とういうことはUGC施策を実施していることを知らないユーザーへの告知となるので、プロフィール欄に掲載することをお勧めします。 また、公式アカウントではUGCを定期的にリポストすることやコンタクトを取る旨も伝えましょう。

参考画像:Instagram Business INSTAGRAM DAY TOKYO2019より、プロフィールへのアクセスの3分の2はフォロワーではないユーザー

>>参考:Instagram Business 
Instagram for Businessウェブサイトのページは2024/12/24で閉鎖されたため該当関連記事は表示されなくなりました。

>>参考:ケンタッキーフライドチキン
 @kfc_japan

ケンタッキーフライドチキンの日本の公式Instagramアカウントです。 プロフィール欄には、フォロワーになり指定ハッシュタグ「#ケンタフォト 」を付けて投稿すると、この公式アカウントでリポストすることを掲載しています。 またストーリーズの場合は、@kfc_japanメンションを付けて投稿するようにとも掲載しています。

参考画像:ケンタッキーフライドチキンの公式Instagramアカウント

UGCのコンテンツ活用方針を決める

UGC施策によりInstagram上にコンテンツは増えますが、やみくもにUGCを募り、無計画にリポストすると、その公式アカウントのプロフィール画面に、いろいろなトンマナの投稿内容が混在することになり、世界観が崩れるなどの問題が発生することがあります。そこでUGCの活用方針を決めることをお勧めします。

①リポストしてコンテンツの一部として活用

リポストしてコンテンツの一部として活用することは、UGC施策の基本的な活用方針です。
SNS担当者だけでは増やすことのできない投稿数をUGCで補い、かつ商材の利用ユーザーとの交流ができるため有効です。 ポイントは、リポストする一般ユーザーの投稿を、一定のテーマをもって厳選することです。シーズンごとにリポストするテーマを決定しトンマナを統一するようにしましょう。
また、リポストに頼ることなく企業アカウントとしてオリジナルのオーガニック投稿を定期的に続けることも重要です。

>>参考:スカイツリー/Tokyo Skytree
 @tokyoskytree_official

東京墨田区にある電波塔、東京スカイツリーの公式Instagramアカウントです。
指定ハッシュタグ「#tokyoskytree」をタップ検索すると、スカイツリーに訪問した多くの利用者によるUGCが見られます。リポストしている一般ユーザーの投稿は、時期によって厳選しているようで、オーガニック投稿に合わせてリポストしています。スカイツリーを被写体とした統一感がある運用です。

参考画像:スカイツリー/Tokyo Skytreeの公式InstagramアカウントのUGCを活用しているタイル表示

②参考コンテンツとして活用

SNSでもビジュアルコミュニケーションが主であるInstagramでは、UGCを実施すると自社サービスや商品を利用した口コミ感想だけでなく、どの様に利用したのかを一般ユーザーから写真等で共有されるため、これから利用する新規ユーザーにとって分かりやすく、参考になるコンテンツが増えるメリットがあります。

>>参考:ニトリ
 @nitori_official

インテリア小売メーカーのニトリの公式Instagramアカウントです。
UGC施策を多く実施しているようです。通常でも指定ハッシュタグ「#mynitori」で投稿を募り、また、年末には「#ニトリのクリスマス」というUGCイベントを開催し、商材であるクリスマス雑貨やクリスマスツリーを使ったインテリアコーディネートを募集し、5000件以上の投稿を得ていました。UGCによりコーディネートの参考になる画像が増加しています。
更には、RoomClipというインテリアSNSプラットフォームと共同企画で、新商品のモニターを募り、Instagramの公式アカウントでリポストしています。 新規顧客に参考となる写真をUGCで増強している運用は参考にしたい点です。

参考画像:ニトリの公式Instagramアカウント、UGCを活用しているタイムラインとリポスト

③体験共有コミュニティとして活用

商品やサービス、また応援しているスポーツチームなど、ファンの中でもロイヤルカスタマー同士が共有し合えるコミュニティとしてInstagramのUGC施策を利用することもお勧めです。
その商品やスポーツチームのファンが、SNSを通して自分以外のファンの存在を知り、さらに情報を共有することでコミュニティとして醸成するというUGC活用方法です。

>>参考:ハーゲンダッツジャパン
 @haagendazs_jp

アイスクリームメーカーのハーゲンダッツジャパンの公式Instagramアカウントです。
指定ハッシュタグ「#ハーゲンハート」で、アイスクリームの蓋をあけたときに、アイスクリームに偶然に出来るハート型の凹みの写真を、ファンが投稿しています。 このUGCの始まりは、ハーゲンダッツ社による2016年のUGC施策ですが、今なお一般ユーザーからの共有投稿が続いており1万件も投稿されています。
商品の熱心なファンでなくても共有したくなる点が長続きし、かつファンが集えるUGC施策であったと思います。

参考画像:ハーゲンダッツジャパンの公式Instagramアカウント、#ハーゲンハートというUGCを募る施策を長期で継続しています。

リポストでファンと交流

UGCを募るも、ハッシュタグ検索すればソート表示されるため放置している企業が見受けられますが、商材ファンとの交流のためにもリポストを運用に取り入れることをお勧めします。

リポスト専門アカウントを開設することも視野に

上段でも触れていますが、リポストを頻繁に続けることが、その公式アカウントの世界観や画像の統一感に影響することがあるため、いろいろなUGCを常に取り上げたい場合は、リポスト専用のアカウントを開設することもお勧めです。

>>参考:#JTBで旅したい
 @jtb_tabishitai

大手旅行代理店JTBのUGC専用の公式Instagramアカウントです。
指定ハッシュタグ「#JTBで旅したい」と付けて旅行先での写真の投稿を募集しています。 一般ユーザーの旅行先は様々で、アングルや被写体などもいろいろな画像が集まるため、UGC専用アカウントを立ち上げて、ツアー旅行者の投稿によるUGCをリポストするというアカウント運用はぜひ参考にしたい点です。

参考画像:#JTBで旅したい、公式Instagramアカウントの、UGC活用タイル表示。

ユーザーに投稿のリポストの許可をとる

無断転載してマナー違反することが無いようにしましょう。必ず一般ユーザーの投稿をリポストする際に、ダイレクトメール機能で投稿者に対して声掛けし、リポストの許可をもらいましょう。また、キャプション(本文)にその投稿者をタグ付し、リポストしている旨を掲載しましょう。

外部アプリでリポストマーク付をける

Instagram上でリポストは可能ですが、外部アプリで投稿するとリポストマークが付き、閲覧された際にリポストされている投稿だと一目瞭然となり、マナーのあるアカウントとして認識されるので運用に加えることをお勧めします。

>>参考:
 Repost+ for Instagram .
 Reposta – Repost for Instagram

キャンペーン施策

自然発生タイプのUGCもありますが、企業アカウントがUGCを募る場合は、UGCでファンや利用者と交流していること、指定ハッシュタグがあることを認知してもらう必要があるため、キャンペーンを実施することもお勧めです。

>>参考:永谷園
 @nagatanien_jp

食品販売メーカーの永谷園の公式Instagramアカウントです。
アカウントの運用リニューアルと合わせてUGCキャンペーンを実施していました。指定ハッシュタグ「#味ひとすじ」の拡散と、商品を使ったオリジナルレシピを募集しています。
Instagramでは主婦によるレシピ投稿も盛んなため、レシピ自慢の一般ユーザーからの投稿が狙えることと、UGCキャンペーンであるため、商品を利用するのでコアなファンが参加することも狙えます。 オリジナルレシピを投稿したユーザーのUGCを、ストーリーズで紹介しアーカイブにし掲載している点は、ファンを大事にしていることが伺えます。

参考画像:永谷園の公式Instagramアカウント、オリジナルレシピ募集キャンペーン。

まとめ:UGCはInstagramでのコンテンツマーケティングを下支えする

運用上の注意点は下記の3点です

運用上の3つの注意点
  • やみくもに募るでのはなく、どのように取り入れるかUGC活用方法を決める。
  • アカウントの世界観が崩れないように、リポストの投稿プランを立てる。もしくはリポスト専用アカウントを開設する。
  • リポストする際に、投稿者に対してリポストの許可を得る。

コンテンツマーケティング思考が必要なInstagram

Instagramでは、ユーザーの関心による検索がいつ発生するか予測が難しいため、いつでもリーチできる対象コンテンツが多いことが重要です。 企業カウントの投稿以上のコンテンツ量となるUGCはInstagramで有効だと思います。

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