企業のSNSアカウントには、情報発信だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通じて関係性を育てる役割も求められています。
なかでも、ユーザーが自発的に発信するUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、企業アカウントとユーザーとの接点や体験の中から生まれることも少なくありません。
UGCを活性化させるためには、キャンペーンや企画を実施するだけでなく、日頃からユーザーとのコミュニケーションを積み重ねることも重要です。
この記事では、UGCの基本的な考え方や生まれる仕組みを解説するとともに、企業アカウントが実践したいコミュニケーションの考え方について紹介します。
※本記事内の投稿事例は、X(旧 Twitter)およびInstagramの埋め込み機能を利用しています。閲覧環境や通信状況によっては、表示に時間がかかる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
UGCとは何か
UGC(User Generated Content)とは、「ユーザー生成コンテンツ」のことで、ユーザーが自発的に発信する口コミや感想、写真、動画などのコンテンツを指します。
SNSへの投稿や口コミサイトのレビュー、ブログ記事などが代表例で、企業ではなく利用者自身が発信していることが特徴です。
UGCは、企業アカウントによる発信とは異なる、ユーザー視点のリアルな情報として受け取られやすく、他のユーザーの購買や利用の判断に影響を与えることもあります。
そのため、多くの企業アカウントにとってUGCは貴重な情報資産のひとつといえるでしょう。
一方で、UGCは企業アカウントが直接作り出せるものではありません。ユーザー自身が「投稿したい」と感じたときに生まれるものであり、その背景には商品やサービスの体験だけでなく、企業アカウントとのコミュニケーションが影響することもあります。
UGCが生まれる仕組みを理解しよう
UGCは企業アカウントにとって価値の高いコンテンツですが、企業アカウントが直接作り出せるものではありません。そのため、UGCを活性化させるためには、まず「どのようなきっかけでUGCが生まれるのか」を理解することが大切です。
UGCには、ユーザーが自発的に発信するものもあれば、企業アカウントの企画やキャンペーンをきっかけに生まれるものもあります。ここでは、UGCが生まれる仕組みと、企業アカウントが意識したいポイントについて解説します。
UGCの種類と特徴
UGCは大きく、「自然発生型UGC」「企画型UGC」「キャンペーン型UGC」の3つに分けて考えることができます。
ユーザーが商品やサービスを利用した感想や体験を、自らの意思で投稿するコンテンツです。
例えば、飲食店で撮影した写真をInstagramに投稿したり、購入した商品の感想をX(旧Twitter)で発信したりするケースが該当します。企業アカウントから依頼されたものではなく、ユーザー自身が「誰かに共有したい」と感じたことをきっかけに生まれるのが特徴です。
企業アカウントがハッシュタグ企画や投稿テーマを設定し、それをきっかけにユーザーが投稿するコンテンツです。
例えば、「お気に入りの商品写真を投稿してください」「○○の楽しみ方を教えてください」といったテーマを設けることで、ユーザーの参加を促します。
企業アカウントが実施するSNSキャンペーンへの応募を目的として、ユーザーが投稿するコンテンツです。
指定ハッシュタグを付けて投稿するキャンペーンや、写真投稿を応募条件とする企画などが代表例です。
企業アカウントは企画やキャンペーンを通じて投稿のきっかけを作ることはできますが、ユーザーの投稿そのものをコントロールすることはできません。
そのため、UGCを活性化させるためには、単に投稿を促すだけでなく、ユーザーとの関係性を築き、発信したくなる環境を整えることが重要です。
UGCの活性化にはコミュニケーションが重要
UGCを活性化させるうえで重要なのが、ユーザーとのコミュニケーションです。
例えば、ユーザーの投稿に「いいね」をしたり、リプライで感謝を伝えたり、UGCを紹介したりすることで、ユーザーは企業アカウントとのつながりを感じやすくなります。
また、「投稿を見てもらえた」という体験は、次の投稿へのモチベーションにつながることもあります。
UGCはユーザーが自発的に生み出すコンテンツですが、その背景には企業アカウントとのコミュニケーションが影響している場合も少なくありません。
だからこそ、UGCを活性化させるためには、単に投稿を待つのではなく、ユーザーとの関係性を育てる視点が大切なのです。
次のUGCへつなげる公式アカウントの声かけ
UGCはユーザーが自発的に発信するコンテンツですが、その背景には企業アカウントとのコミュニケーションが影響していることも少なくありません。
例えば、投稿への「いいね」やリプライ、UGCの紹介などを通じて企業アカウントとの接点が生まれることで、ユーザーはブランドとのつながりを感じやすくなります。
こうした日々のコミュニケーションの積み重ねが、継続的なUGCの投稿やUGCの活性化につながることもあります。
ユーザーの投稿に反応する
ユーザーが商品やサービスについて投稿してくれた際は、「いいね」やリプライなどで反応することも有効です。
企業アカウントから反応があることで、ユーザーは「投稿を見てもらえた」「企業アカウントに届いた」と感じやすくなります。特に好意的な投稿に対して感謝を伝えることは、ブランドへの親近感や信頼感の向上にもつながります。
また、一度の反応で終わるのではなく、継続的にユーザーとの接点を持つことで、企業アカウントとユーザーとの関係性を深めることができます。こうした積み重ねが、将来的なUGCの投稿やブランドへの愛着につながる可能性があります。
事例:【公式】ミツカン 【X(旧 Twitter)アカウント】
>>参考: 【公式】ミツカン @mizkan_official
ミツカン公式Xアカウントでは、自社レシピを試したユーザーの引用リポストに対し、その感想やコメントに合わせて返信を行っています。
こうしたやり取りは、ユーザーの体験を企業アカウントが受け止めていることを示すだけでなく、「投稿すると反応してもらえるかもしれない」という期待感にもつながります。
また、他のユーザーにとっても「投稿してみよう」というきっかけとなり、UGCの活性化を後押しする可能性があります。
UGCを紹介する
ユーザーが投稿したUGCを紹介することも、UGCを活性化させる有効な方法のひとつです。
例えば、Webサイトでお客様の声として掲載したり、Instagramのストーリーズやフィード投稿で紹介したり、X(旧Twitter)でリポストしたりする方法があります。
自分の投稿が企業アカウントに紹介されることは、ユーザーにとって嬉しい体験のひとつです。また、「企業アカウントがユーザーの声を大切にしている」という姿勢を他のユーザーへ伝えることにもつながります。
さらに、「自分の投稿も紹介されるかもしれない」という期待感が、新たな投稿や継続的なUGCの活性化につながることもあります。
ただし、UGCを紹介する際は、利用規約を整備したり、必要に応じて投稿者へ掲載許可を取得したりするなど、適切な運用を行うことが重要です。
事例:GoProJP 【Instagramアカウント】
>>参考: GoProJP (goprojp)
GoPro Japanは、自社製品で撮影されたユーザーの写真や動画を、公式Instagramアカウントで積極的に紹介しています。
プロフィール画面には、商品情報だけでなく、ユーザーが撮影した迫力ある映像や美しい風景写真が数多く掲載されており、UGCがブランドの魅力を伝えるコンテンツとして活用されています。
このような取り組みは、既存ユーザーの投稿意欲を高めるだけでなく、「自分も投稿してみたい」と感じる新たなユーザーとの接点づくりにもつながっています。
事例:セブン‐イレブン・ジャパン 【X(旧 Twitter)アカウント】
>>参考: セブン‐イレブン・ジャパン(@711SEJ)
セブン‐イレブン・ジャパン公式Xアカウントでは、ユーザーの投稿を紹介しながらコミュニケーションを行う投稿が見られます。
こうした取り組みは、投稿者との関係づくりにつながるだけでなく、「企業アカウントが投稿を見てくれている」という安心感や期待感を生み出します。
また、「自分の投稿も紹介されるかもしれない」という気持ちは、ユーザーが継続的に投稿するきっかけにもなります。UGCを紹介することは、投稿への感謝を伝えるだけでなく、ユーザーとの関係性を深めるコミュニケーション施策のひとつといえるでしょう。
UGCを活性化させるファンとのコミュニケーション設計
UGCを継続的に活性化させるためには、単に反応するだけでなく、ユーザーとの関係性を理解したうえでコミュニケーションを設計することも重要です。
すべてのユーザーが同じ熱量で企業やブランドに関わっているわけではありません。まずはユーザーとの関係性を整理し、それぞれに適したコミュニケーションについて考えてみましょう。
ユーザーを関係性ごとに整理してみよう
SNS上のユーザーは、一人ひとり企業やブランドとの関わり方が異なります。
例えば、企業やブランドを知ったばかりのユーザーもいれば、商品やサービスを利用した経験があるユーザー、継続的にUGCを投稿しているファンもいます。
こうした違いを意識せずに一律のコミュニケーションを行うと、ユーザーとの距離感が合わず、十分な効果が得られない場合があります。
そのため、まずは「現在どのような関係性にあるユーザーなのか」という視点で捉えることが大切です。
ユーザーとの関係性を把握することで、それぞれに適したコミュニケーションを考えやすくなり、長期的な関係づくりやUGCの活性化にもつながります。
ユーザーの段階に応じてコミュニケーションを変える
ユーザーとの関係性を整理したら、次はその段階に応じたコミュニケーションを考えてみましょう。
同じUGCへの反応であっても、相手がどのような状態にあるかによって、企業アカウントが意識したいコミュニケーションの目的は異なります。

企業やブランドを知っているものの、まだ利用経験が少ない、あるいは関心を持ち始めた段階のユーザーです。
まずは商品やサービスへの興味・関心を高めてもらい、企業アカウントとの接点を持ってもらうことが重要です。
商品やサービスを利用した経験があり、感想や体験を投稿する可能性があるユーザーです。
投稿への反応や感謝のメッセージを通じて接点を増やすことで、再利用や継続的なコミュニケーションにつなげることができます。
UGCを継続的に投稿したり、企業アカウントの発信に積極的に反応したりしているユーザーです。
日頃の投稿への感謝を伝えたり、UGCを紹介したりすることで、より深い関係性を築くことができます。
このように、ユーザーとの関係性によってコミュニケーションの目的は異なります。
相手の状態に合わせたコミュニケーションを行うことで、企業アカウントとのつながりを感じてもらいやすくなり、長期的なファン育成やUGCの活性化につながります。
関係性に応じてコミュニケーションを工夫する
企業アカウントは、UGCを投稿した全てのユーザーに対して同じコミュニケーションを行う必要はありません。ユーザーとの関係性や投稿内容に応じて、適切な距離感でコミュニケーションを行うことが大切です。
商品やサービスを初めて利用し、好意的な感想や驚きを投稿している。
まずは「いいね」で反応するだけでも十分です。企業アカウントからの反応があることで、「投稿を見てもらえた」と感じてもらうことができます。
また、投稿内容によっては短いお礼のリプライを行うのもよいでしょう。ただし、この段階では無理にコミュニケーションを深めようとするのではなく、自然な接点づくりを意識することが大切です。
商品やサービスの利用体験や感想を投稿している。過去にも利用経験があり、その魅力を共有している。
感謝の気持ちを伝えるリプライや、投稿内容に触れた一言を添えることで、より良いコミュニケーションにつながります。
ただし、毎回必ず返信する必要はありません。投稿内容や状況に応じて、「いいね」とリプライを使い分けながら接点を継続することが重要です。
ブランドへの愛着や商品の魅力を継続的に発信している。ハッシュタグを活用しながら、他のファンとの交流も楽しんでいる。
日頃から企業アカウントの投稿にも反応してくれるユーザーであれば、「いいね」やリプライを通じて継続的なコミュニケーションを行うことが効果的です。
特にUGCへの返信では、投稿内容に合わせた言葉を添えることで、ユーザーとの関係性をより深めることができます。また、状況によってはUGCの紹介などを通じて感謝の気持ちを伝えるのもよいでしょう。
重要なのは、コミュニケーションの量を増やすことではなく、ユーザーとの関係性に応じて適切な接点を持つことです。
ユーザーに合わせたコミュニケーションを積み重ねることで、企業アカウントとのつながりを感じてもらいやすくなり、継続的なUGCの投稿やブランドへの愛着につながることが期待できます。
アクティブサポート/アクティブコミュニケーションがUGC活性化につながる
これまで紹介してきたように、UGCを活性化させるためには、ユーザーとの継続的なコミュニケーションが欠かせません。
そこで注目されているのが、企業側から積極的にユーザーへアプローチを行う「アクティブサポート・コミュニケーション」です。
実は、本記事で紹介した企業アカウントによる「いいね」やリプライなどの取り組みも、アクティブサポート・コミュニケーションの考え方につながるものといえます。
「アクティブサポート/アクティブコミュニケーション」とは
アクティブサポート・コミュニケーションとは、自社商品やサービスについての問い合わせを待つだけでなく、SNS上で自社商品やサービスについて言及しているユーザーに対して、企業アカウントから積極的にコミュニケーションを行う取り組みです。
アクティブサポート・コミュニケーションには、大きく次の2つの考え方があります。
SNS上でユーザーの困りごとや疑問、不満の投稿を見つけ、企業アカウントから能動的にサポートを行う取り組みです。カスタマーサポートをSNS上で実践するイメージに近く、課題解決を通じて顧客満足度の向上を目指します。
商品やサービスに関する感想投稿やUGCに対して、企業アカウントから「いいね」やリプライを行う取り組みです。ユーザーとの交流を通じて関係性を深め、ブランドへの愛着や継続的な発信につなげることを目的としています。
UGCを活性化させるためには、投稿を待つだけではなく、企業アカウントから能動的にユーザーとの関係性を築いていく視点も重要です。その実践方法のひとつとして、アクティブサポート・コミュニケーションは有効な施策といえるでしょう。

アクティブサポート・コミュニケション代行サービス
UGCを活性化させるためには、ユーザーとの継続的なコミュニケーションが欠かせません。
アディッシュプラスでは、企業アカウントからユーザーへ積極的にアプローチする「SNSアクティブサポート・アクティブコミュニケーション」を提供しています。
事例:シャトレーゼ【公式】 【X(旧 Twitter)アカウント】
>>参考: シャトレーゼ【公式】(@chateraise_jp)
ユーザーが誕生日ケーキの写真を投稿した際に、シャトレーゼ公式Xアカウントが「お誕生日おめでとうございます」とリプライを送った事例です。この事例は、商品そのものだけでなく、ユーザーの体験や感情に寄り添ったコミュニケーションの好例といえます。
企業アカウントからのこうした声かけは、ユーザーとの距離を縮めるだけでなく、「また投稿したい」と感じてもらうきっかけにもなります。
まとめ|UGCを活性化させる鍵はユーザーとの関係づくり
UGCは、ユーザーが自発的に発信する貴重なコンテンツです。企業アカウントは、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、UGCが生まれやすく、継続的な投稿が行われやすい環境を整えることができます。
ユーザーの投稿に反応したり、UGCを紹介したりすることは、企業アカウントとユーザーとの接点を増やすきっかけになります。また、すべてのユーザーに同じ対応をするのではなく、関係性や段階に応じてコミュニケーションを設計することで、より良い関係づくりにつながります。
UGCを活性化させるために大切なのは、投稿数だけを追いかけることではありません。ユーザーとの関係性を育み、「また投稿したい」「このブランドを応援したい」と思ってもらえる体験を積み重ねていくことです。
その実践方法のひとつとして、アクティブサポート・コミュニケーションがあります。ユーザーとの継続的な対話を通じて信頼関係を築くことが、結果としてUGCの活性化やファンとの関係強化につながることが期待できます。

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