UGCに対する企業公式アカウントのアクションを考える

タイトル画像:企業公式アカウントのアクションを考える

第一弾で、UGCとはなにかを事例を交えて説明させていただきました。今回は第二弾として、UGC生み出し、その生み出されたUGCに対して、企業はどうアクションを取っていくべきかを考えていきたいと思います。

UGCが発生する3つの要因

(1)自然発生

商品そのものの良さや一般ユーザーの投稿がバズるなどの要因から、企業側が特にアクションを起こしていたわけではないにもかかわらず、クチコミが広がったものです。実際に多くのUGCが生まれた場合、認知拡大や販売促進に大きく貢献してくれるでしょう。反面、こちらはコントロールすることが難しいというのが難点です。

事例:セブンイレブンの冷凍焼き餃子

全国にチェーン展開しているコンビニエンスストアのセブンイレブンが販売している冷凍食品の焼き餃子です。
「美味しくて安い」と一年ほど前からSNSで話題になり、今なおUGCを生み出し続けています。
UGCを見たユーザーが試しに買い、実際に食べ、感想とともに新たなUGCを生み出すという非常に良い循環を生み出しました。

>>参考:自然発生的UGC例1  2018年6月23日より

参考画像:自然発生的UGC例1、餃子を食卓に並べている写真が一般ユーザーから投稿されている。

>>参考:自然発生的UGC例2  2019年5月10日より

参考画像:自然発生的UGC例2、2019年5月10日より。アレンジした調理後の写真を投稿。

※一般ユーザーの投稿のためアカウント名を非表示にしております。

(2)キャンペーン

代表的なものとしては、フォロー&リツイートキャンペーンやハッシュタグ投稿キャンペーンなどがあげられます。こちらは企業側が意図してアクションを起こすため、自然発生と比べて圧倒的にコントロールがしやすく、最大瞬間風速的に多くのUGCを生み出すことができます。反面、キャンペーン終了後もUGCの数を維持するということが難しいというデメリットもあるでしょう。

事例:キリンの氷結

大手飲料メーカーのキリンが販売しているチューハイ「氷結」です。
どちらかのハッシュタグと商品入りの写真を投稿すると、抽選で選ばれた方にプレゼントが当たるというものでした。商品の写真と一緒に、商品を飲んだ感想を投稿する人も多く、商品の認知拡大や購買促進に貢献しました。

>>参考:氷結(C)公式アカウント @Hyoketsu_KIRINのX(Twitter)キャンペーンの告知投稿
 2019年2月22日

参考画像:氷結(C)公式アカウント @Hyoketsu_KIRINのX(Twitter)キャンペーンの告知投稿。GIF動画で動きがあるので目を引くクリエイティブです。

>>参考:氷結(C)公式アカウント @Hyoketsu_KIRINのX(Twitter)キャンペーンのUGC応募投稿
 2019年2月17日より
 2019年2月20日より

参考画像:氷結(C)公式アカウント @Hyoketsu_KIRINのX(Twitter)キャンペーンのUGC応募投稿

※一般ユーザーの投稿のためアカウント名を非表示にしております。

(3)継続的に公式アカウントから声がけをする

こちらは公式アカウントからユーザーに対してコミュニケーションを取ることで、関係強化をし、ユーザーからファンに成長させることで、多くのUGCを生むというものになっています。ポジティブなUGCをファンから自発的に生み出してもらうため、クチコミとしての信頼は高く、質のいいUGCを生み出すことにつながります。

認知拡大はもちろん、販売促進、ブランドイメージの向上などにも寄与できるでしょう。アカウントの運用方針次第で大きく影響できる部分でもあるので、アディッシュではここを重要視しています。デメリットとしては、目に見えるものとして結果を出すには、一朝一夕では難しいというところです。

事例:シャトレーゼ

「シャトレーゼ」はケーキなどの洋菓子をメインに提供しているお菓子のお店です。
誕生日ツイートに対して公式アカウントからお祝いの言葉を贈ることで関係を強化。公式アカウントから誕生日を祝われて嬉しく感じるユーザーも多く、再び購入し投稿したいと思うようになりやすいです。また、コメント返信もしており、ユーザーとのコミュニケーションを大事にしているのがわかります。

>>参考:長期的にX(Twitter)運用にUGCへのリプライ対応をしているシャトレーゼの公式X(Twitter)アカウント
 2019年2月25日より
 2019年2月21日より

参考画像:長期的にX(Twitter)運用にUGCへのリプライ対応をしているシャトレーゼの公式X(Twitter)アカウント

※一般ユーザーの投稿のためアカウント名を非表示にしております。

このように企業や商品の公式アカウントからコミュニケーションを取ることで、ユーザーの承認欲求が満たされ、関係強化され、ファンへと成長を促すことができます

センチメント・ビジョンでユーザーを分析しよう

センチメントビジョンとは

「センチメント分析」は、SNSやWebサイトなどのインターネット上の投稿や表現から、そのユーザーの感情がどのような状況かをカスターサポートする前に確認する分析方法の一つです。

まずは4つの「ロイヤルカスタマー」、「顧客」、「見込顧客」、「潜在顧客」の4つに分類する。

生み出された一般ユーザーのUGCにどうリアクションしていくかを考える前に、振り分けて見定める必要があります。その投稿を、ロイヤルカスタマー、顧客、見込顧客、潜在顧客の4つのいずれかに分類します。

イメージ図:センチメント・ビジョン。4段階でユーザーの層を分けている。

プラミッド型にイメージし、

(1)潜在顧客:もっとも多いライトユーザー。

(2)見込み顧客:商品に若干の好意や興味を持っている。

(3)顧客:商品は優先てきにこの商品を選び行為を持っている。

(4)ロイヤルカスタマー:ピラミッドの最上部であり最も少ない層で、商品の開発者のような意識を持ち商品をひいきしている。

ロイヤルカスタマーのレベルまでファン化させるというのは簡単なことではありません。

上図の(4)の「ロイヤルカスタマー」が増えれば、それだけUGCが生み出されやすい環境を作り出せているということになります。

しかし、「ロイヤルカスタマー」のレベルまでファン化させるというのは簡単なことではありません。

既にいる商品に好意や興味関心を持っている「顧客」に対して、公式アカウントがアクションを取ることで、「ロイヤルカスタマー」への成長を促し、生み出されたUGCを見た潜在顧客が見込顧客へ、見込顧客が顧客へと成長を後押しします。

新たに生まれたその「顧客」に対して公式アカウントがアクションを取り、興味関心を成長させコミュニティの醸成を図ります。

映画に対する一般ユーザーの感情例をもとに対応文の違いを考えよう。

実際に、それぞれにどのようなUGCを生み出してほしいのか明確に言語化しましょう。

これをセンチメント・ビジョンと呼んでおります。 今回は、サンプルとしてとある映画のセンチメント・ビジョンを考えてみましょう。

イメージ図:センチメント・ビジョン、映画に対するユーザーの場合

とある映画にたうする「センチメント・ビジョン」をあらためてプラミッド型にイメージすると、
(1)潜在顧客:「こんな映画があるんだー。」
(2)見込み顧客:「興味出てきたみてみようかな。」
(3)顧客:「この映画は知っておいた方がいい。」
(4)ロイヤルカスタマー:「みんなにぜひ見てほしい!!」

ユーザーの状況に応じたリプライ文を考えるSNSライティングが必要

このように各階層のユーザーに投稿してほしい文章を考え、その内容に沿った投稿をしてもらうには、公式アカウントとしてどのようなアクションを取っていくべきかを考える必要があります

また、その内容に沿った投稿に対して、リプライやリツイートなど、どのようなアクションを取れば有効活用することができるかを考えていかなければなりません。

自社のSNSアカウントの運用目的を明確にした上で、「認知拡大」「購買促進」「ブランドイメージの向上」など、それぞれの目的に合ったアクションを考えていきましょう。

まとめ:企業が望むUGCを生み育てることができるSNS

質が高く、クチコミとして信頼できるUGCを生み出すには、ユーザーとの関係強化がカギになってきます。如何にして関係強化をし、企業が望むUGCを生み出していくかは大きな課題になるでしょう。

また、業界、業種によって、UGCに対して取るべきアクションは変わってくることもあります。業界それぞれにあった運用をし、取るべきアクションを選択し、生み出されたUGCを最大限生かせるようなSNS運用を目指しましょう。

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