「当選率アップ型」で参加とエンゲージメントを高めるX(旧 Twitter)キャンペーン

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X(旧 Twitter)では、「フォロー&リポスト(リツイート)」や「フォロー&いいね」を参加条件にしたプレゼントキャンペーンが多く実施されています。しかし、限られたエンゲージメントだけしか伸びないといった課題も少なくありません。
こうした中で、「当選率アップ」を取り入れた二段階応募のキャンペーン設計が見受けられます。本記事では、「当選率アップ」の参加条件を加えたX(旧 Twitter)キャンペーンを実施した企業アカウントとともに「当選率アップ」形式のSNSキャンペーンを解説します。

企業アカウントが「当選率アップ」を取り入れ始めた背景

企業の公式X(旧 Twitter)アカウントでは、「フォロー&リポスト(リツイート)で応募完了」というシンプルなキャンペーンが主流です。
一方で、手軽に参加できる反面、キャンペーンが終わるとフォローを外されてしまったり、一部のエンゲージメントを得ただけにとどまるケースも少なくありません。

こうした状況の中、X(旧 Twitter)キャンペーンの設計で、「当選率アップ」を条件に組み込む企業アカウントが増えつつあるようです。

参加意欲を上げる

SNSユーザーの間では「大手のキャンペーンは当たらない」といった心理も根強く、応募意欲を高めるのは難しいという課題もあります。

そこでキャンペーン投稿に「当選率アップ」という言葉を加えることで、ユーザーの応募意欲を高める効果があります。

短期的な盛り上がりを活用

SNSキャンペーンは、短期間で注目を集めることを目的としたプロモーション施策です。そのため、フォローを外す傾向のある懸賞アカウント(※)の存在も織り込みながら、キャンペーン期間中にエンゲージメントを最大化し、アルゴリズム面での勢いをつくる視点が求められます。

もう一段階、UGC投稿などの応募条件を満たすことで当選率がアップする形式を取り入れると、短期的ではあるもののエンゲージメントをより強く押し上げ、X(旧 Twitter)上での露出増加につなげる仕掛けとして機能します。

(※)懸賞アカウント:SNSキャンペーンの応募を主な目的としたアカウントのこと。

基本のキャンペーン応募形式にプラスアルファ

「当選率アップ」方式を取り入れたキャンペーンは、まずは基本の応募方法 [例:フォロー&リポスト(リツイート)、フォロー&いいね]だけでも参加できるようにしておくことで、ライトファンや初めてのユーザーも気軽に参加しやすくなります。

そのうえで、さらに特定の行動(リプライ投稿・引用リポスト(リツイート)・ハッシュタグ使用など)を追加条件として設けることで、より積極的な投稿や反応を促し、アルゴリズム対策としても有効に機能します。

ここでは、基本のX(旧 Twitter)キャンペーンにプラスする「当選率アップ」として多く用いられている3つの応募形式を紹介します。

参考イラスト:当選率UPのキャンペーンは応募方法を2段階にします。まずステップ1で基本的なフォロー&リツイートやフォロー&いいねをせっていし、プラスでステップ2としてUGC投稿:ハッシュタグ引用リツイート・リプライ投稿を加えます。

(1)UGC訴求型キャンペーンで当選率アップ

基本の応募条件に、さらに指定ハッシュタグと商品写真を添えて引用リポスト(リツイート)すると当選率が上がるという形式。

ユーザーが自発的にコンテンツを投稿し、ブランド体験を共有するUGC(※)タイプです。UGC誘発型は、商品の認知を高めたい・ブランド体験を広げたい企業に適しています。
エンゲージメントの「質」を重視し、すでに商品やサービスを利用している商材ファンからの応募を得たい場合にも効果的です。

(※)UGC:「User Generated Content」の略。ユーザーによって作成されたコンテンツで、新聞への投書やクチコミ投稿・イラストや画像・動画といった二次創作などを含む。

参考事例:ゼブラ

>>参考:  ゼブラ(@suraripen)2025年11月26日投稿より

文房具メーカー・ゼブラの公式X(旧 Twitter)アカウントでは、新商品「サラサクリップ 勉強応援セット」を紹介するキャンペーンを実施しました。これは、受験生を応援するコンセプトの商品で、人気ペンを組み合わせたセットです。

応募方法は、指定ハッシュタグ「#サラサクリップ」を付けてキャンペーン投稿を引用リポスト(リツイート)するだけという、ライトファンでも参加しやすい設計。一方で、引用リポスト(リツイート)に商品と一緒に勉強ノートとの写真を添えると当選率がアップする仕組みにすることで、ユーザーの能動的な投稿(UGC)をうながし、新商品の認知拡散にもつなげています。

勉強中のユーザーのリアルな写真がX(旧 Twitter)上に増える点も、商品イメージの訴求に効果的です。また、受験生だけでなく、「勉強をがんばる人」なら誰でも応募できるという幅広さも嬉しい配慮で、参加ハードルを下げるポイントといえるでしょう。

(2)拡散リポスト(リツイート)で当選率アップ

基本の応募条件に、指定のハッシュタグをつけて引用リポスト(リツイート)すると当選率が上がるという形式。

基本の応募条件に加え、指定のハッシュタグをつけてリポスト(リツイート)すると当選率がアップするという形式です。リポスト(リツイート)によってキャンペーン情報をより広く届けることを狙った設計で、ユーザーが積極的に投稿を拡散しやすくなります。

またリポスト(リツイート)の際に、指定ハッシュタグを加えて引用リポスト(リツイート)することを条件にし、通常のリポスト(リツイート)よりもコメントやリアクションが生まれやすく、タイムライン上での自然な広がりを促す効果も期待できます。

さらに、X(旧 Twitter)のアルゴリズムの観点でも、この形式はメリットがあります。

Xが公表している情報によると、投稿に対して「クリックで拡大」「いいね」「リポスト(リツイート)」などの行動が発生すると、その投稿の評価が上がり、他ユーザーへの露出が増える傾向があります。そのため、当選率アップの仕掛けによってリポスト(リツイート)などを促すことは、キャンペーン投稿全体の評価向上にもつながりやすくなります。

参考事例:キングジム(@kingjim)

>>参考:  キングジム(@kingjim)2025年1月27日投稿より

事務用品メーカー・キングジムの公式X(旧 Twitter)アカウントでは、人気商品「テプラ」の新機種をプレゼントする「フォロー&リポスト(リツイート)」キャンペーンを実施していました。
基本の応募方法はシンプルな「フォロー&リポスト(リツイート)」。さらにキャンペーン投稿を指定ハッシュタグ「#おねがいテプラ」付きで引用リポスト(リツイート)すると当選率が上がるという設計です。

フォロワー数の多い人気アカウントであることに加え、新機種発売のタイミングでハッシュタグを拡散できるため、情報波及の効果が期待できる施策となっています。
また、参加時にハッシュタグを付けるだけという最小限の追加アクションで済み、ユーザーにとって負荷が小さいという点も参考になります。

(3)リプライで当選率アップ

指定ハッシュタグをつけて、キャンペーン投稿にリプライすると当選率が上がるという形式。

キャンペーン投稿に、ユーザーによるリプライを促します。リプライ型は、投稿に対するユーザーとの接点が増えます。ハッシュタグを指定することで、リプライに投稿する文章を考える手間も省けて、気楽にリプライできるようにするのもポイントです。リプライを得る投稿もアルゴリズム上のエンゲージメントとして評価されやすいという利点もあります。

参考事例:花王 アタック(お洗濯全般) (@kao_attackjp)

>>参考:  花王 アタック(お洗濯全般) (@kao_attackjp) 2025年4月21日投稿より

洗剤・化粧品メーカー・花王の洗剤ブランド「アタック」公式X(旧 Twitter)アカウントでは、「アタック」の発売日(4月21日)にあわせ、商品を100名にプレゼントするキャンペーンを実施していました。発売から38年(2025年時点)という長い歴史を背景に、ファンへの感謝も込めて100個を用意した企画です。普段から、お洗濯のコツなど生活に寄り添った投稿が多く、日頃のファンコミュニケーションを大切にしている点も特徴です。

応募自体はフォロー&リポスト(リツイート)で完了するシンプルな設計ですが、さらに指定ハッシュタグ「#おめでとうアタック」を付けてキャンペーン投稿にリプライすると当選率アップという仕掛けを加えていました。
リプライ投稿が増えることで、お祝いムードが自然と広がり、ブランドのポジティブな雰囲気づくりにもつながっています。

「当選率アップ」キャンペーン設計の注意点

条件設定は「ユーザー行動」を優先に

「当選率アップ」を条件にした行動が複雑すぎると、かえって離脱を招くことがあります。
たとえば「ハッシュタグ+リポスト(リツイート)+引用投稿+リプライ」と複数の動作を求めると、ユーザーが途中で諦めてしまうケースもあります。

エンゲージメントを増やす目的であっても、ユーザーが迷わず行動できるシンプルさを保つことが重要です。
また、行動条件はブランドの目的と自然に結びつく形で設計するのが理想です。たとえば「使ってみた感想をリプライで投稿」など、ユーザーにとって楽しめる仕組みにすると好印象を残せます。

公平性と透明性を担保する

「当選率アップ」という言葉は、魅力的である反面、「どの程度アップするのか」が不明確なままだと不信感を招きやすい要素でもあります。
応募規約に、例えば「リプライしてくださった方は、1回の応募で2回分にカウントいたします。」というような概要文を加えましょう。

表記例:下記のようにルールの意図をわかりやすく伝えることが大切です。
・「リプライすると当選率2倍」
・「指定条件を満たすと抽選の対象が増える」
・「条件を満たした方を優先的に抽選」

SNSキャンペーンでは、こうした透明性の確保により、キャンペーン自体の信頼性が高まり、参加者の納得感や安心感につながります。

まとめ:キャンペーンの短期的な盛り上がりを、フォローされ続けるアカウント運用につなげよう。

「当選率アップ」を条件に取り入れたキャンペーンは、応募意欲を刺激し、エンゲージメントを高める有効な仕組みとして注目を集めています。

しかし、その効果を「瞬間的な盛り上がり」に終わらせず、次の運用につなげるには、キャンペーンの先にある関係づくりを意識することが重要です。

たとえば、キャンペーンで一度フォローしてくれたユーザーが、終了後も企業アカウントをフォローし続けたくなるような投稿を続ける。
あるいは、UGC型のキャンペーンを実施した場合は、キャンペーン後に応募者の投稿を企業側が丁寧に引用リポスト(リツイート)で紹介するなど、ユーザーの参加行動を、企業公式アカウントとして還元する工夫が、今後ますます求められていくでしょう。

また、X(旧 Twitter)のアルゴリズムは変化を続けていますが、エンゲージメントを生む本質は変わりません。「当選率アップ」施策は、そのときどきの仕組みをうまく取り入れつつ、ブランドとユーザーの距離を縮める「きっかけ」として設計することが大切です。

X(旧 Twitter)のキャンペーン企画は、フォロワーやお客さまとの関係性をどう深めるか、毎回悩ましい部分も多いと思います。筆者も同じ立場として試行錯誤を重ねています。
本記事が、皆さまのSNSキャンペーン企画づくりのヒントになれば幸いです。

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