Facebookページは、主要なSNSの中でも特に多くのコンテンツ容量を活用できる点が魅力です。長文や豊富な画像を使った投稿を通じて、実名制ならではのマナーあるユーザーと交流できるプラットフォームとして注目されています。さらに、Facebook上でユーザーがスムーズにアクションを起こせるようにするために、コールトゥアクション(CTA)ボタンの活用について本記事ではご紹介します。
2015年にコールトゥアクションボタンが発表されてから活用している企業も増えていますが、まだまだ設定していない企業アカウントもあるようなので、今回はボタン項目の種類と企業アカウント(Facebookページ)の事例を紹介したいと思います。
Facebookページのコールトゥアクションボタン機能(CTA)とは
コールトゥアクションボタン(CTA)は、Facebookページから指定した外部Webサイト(URL)へ直接誘導できる機能で、2015年に導入されました。この機能により、Facebookページから自社の商品やサービスを紹介するWebサイトなどへの流入をスムーズに促すことができるようになりました。
2020年5月には、FacebookのPCブラウザ版デザインが刷新され、CTAボタンの仕様も徐々に変更が加えられました。そして、2024年1月からは広告における目的の選択肢が従来の11種類から6種類に簡略化され、既存のCTAボタンも目的設定の見直しや再設定が必要となったようです。
>>参考: Meta Japanの公式Facebookページ
Meta社の公式Facebookページには、「メッセンジャー」ボタンが設置されていました。
Facebook Messengerでチャットを送信できるようにしています。

>>参考: Metaビジネスヘルプセンター
Meta広告マネージャでは、どのようなCTAボタンを使用できますか
Facebookの新デザインのページについて
コールトゥアクションボタン(CTA)のメリット
広告ではなくても、Facebookページでもコールトゥアクションボタン(CTA)を無料で利用でき、申請も不要なため、管理者権限があればすぐに設定可能です。さらに、インサイトデータを活用することで、CTAボタン経由で行動したユーザー数を確認できるため、SNSからの流入数を計測する際に非常に有益なデータが得られます。
カスタマージャーニーの観点から見ても、ユーザーが興味を持ったタイミングで、Facebookからスムーズに行動を促せるのが大きな利点です。
また、企業側にもメリットがあります。CTAボタンを「お問い合わせ」などに設定すれば、該当するメーリングリストやメールアドレスへ直接連絡を送れるようになり、適切な担当者に迅速に情報が届き、業務効率が向上します。
>>参考:Facebookヘルプセンター
Facebookページにアクションボタンを追加する
ページのアクションボタンを編集または削除する
コールトゥアクションボタン(CTA)の種類
Facebookページで設定できるコールトゥアクションボタン(CTA)は、大きく分けて3分類あり「ビジネスへの支援を促す」系のボタンは5種類、「問い合わせを増やす」系のボタンは5種類、「グループやアプリにリンクする」系のボタンは6種類あります。
Facebookの機能利用や指定プラットフォームのツール利用が必要なコールトゥアクションボタン(CTA)があるので注意
詳しい設定方法は省略しますが、コールトゥアクションボタン(CTA)の中にはFacebookの機能を利用したり、Facebookが指定するプラットフォームのツールを選択する必要があるため、URLを貼るだけで利用できる使い勝手がいいものを選択することをおすすめします。
コールトゥアクションボタン(CTA)の設定メニュー
Facebookページのヘッダー画像下のツールバーの左隅「・・・」をクリックし、「アクションボタンを追加」をクリックするとコールトゥアクションボタン(CTA)の一覧が表示されます。

「ビジネスへの支援を促す」分類のボタン
購入などのコンバージョンアクションに繋がるボタンがこちらの分類にあります。
上段のとおりFacebookの機能や指定ツールの利用が必要なものがあります。リンクを設定するだけで利用できるものは、「登録をする」「注文をする」「チケットを入手」の3つになります。
- 予約をする:Facebookの予約機能か、Facebookが指定するツールを利用して予約ができるようになります。
- 登録する:自社サービスへの登録フォームなどがある場合はリンクを設定することができます。
- 注文する:予約フォームや店舗のWebサイトのリンクを設定することができます。
- ショップを見る:Facebookが指定するECツール、もしくはFacebookショップを開設する必要があります。
- チケットを入手:入手先となるWebサイトへのリンク設定ができます。

「問い合わせを増やす」分類のボタン
コールトゥアクションボタン(CTA)の中でも、企業として設定しておきたい問合せ先のリンクや電話番号を設定できるボタンがこちらの分類にあります。
- メッセージを送信:そのFacebookページのアカウントでのFacebookMessengerからチャットが送られるようになります。
- WatsAppメッセージを送信:電話番号の設定が必要になります。
- 今すぐ電話:自社の代表番号や、担当部署の電話番号、もしカスタマーサポートセンターがある場合は設定すると電話での対応が可能になります。
- メールを送信:お問い合わせフォームなどWebサイトが無い場合でも、担当部署のメーリングリストがある場合はこちらにメールアドレスを設定するだけで問合せ先設定が可能です。
- お問い合わせ:Webサイトなどのお問い合わせフォームがある場合は、そのURLをこちらに設定することをおすすめします。

「グループやアプリにリンクする」分類のボタン
コンテンツやゲームアプリに特化したボタン類がこちらの分類になります。またFacebookグループがある場合は、コミュニティを強化するためのリンクボタンもこちらの分類に含まれています。Facebook指定のツールの指定が無くてもリンクだけで設定できるものは、「詳しくはこちら」「今すぐ見る」になります。
- 詳しくはこちら:詳細情報のあるWebサイトへのリンク設定で自社サイトへ遷移が可能になります。
- 今すぐ見る:Youtubeや動画コンテンツへのリンク設定ができます。
- グループにアクセス:Facebookグループの設定ができます。
- 購入する:ショッピングツールとの連携設定が必要になります。
- 予約する:予約サービスツールやプラットフォームとの連携が必要になります。日本国内対応ツールではグルメ情報予約サイトの「ヒトサラ」があります。

Facebookページ(企業アカウント)のコールトゥアクション事例
ここからはコールトゥアクションボタン(CTA)を設定している企業アカウントを見てまいりましょう。
CTAボタン:予約する
>>参考: アパホテルズ&リゾーツ(APA Hotels&Resorts)
ビジネスホテルチェーン、アパホテルズ&リゾーツの公式Facebookページです。
こちらでは主に企業情報を発信しています。具体的には、新店舗オープンの告知や、X(旧Twitter)で実施されているSNSキャンペーンの案内、宿泊キャンペーン情報などが投稿されています。
コールトゥアクションボタン(CTA)は「予約する」ボタンが設定されています。ユーザーはワンタップで予約リクエストページに進むことができます。これにより、Facebookページを訪問したユーザーをスムーズに予約プロセスへ誘導する導線として効果的に機能しています。

CTAボタン:お問い合わせ
>>参考: 3COINS/コミュニケションスリーコインズ
生活雑貨ブランド「3COINS」の公式Facebookページです。
こちらでは他の公式SNSと同じ内容が投稿されています。これは、SNSごとに異なるユーザー層へリーチするための工夫で、運用スタイルとして参考になるポイントです。複数のSNSで同じ投稿を共有する運用は、リーチを最大化する効果的な手法とた例と言えるでしょう。
コールトゥアクションボタン(CTA)は「お問い合わせする」ボタンが設定されています。
Webサイト内の問い合わせ窓口一覧ページへのリンクが設置されています。このリンク先では、問い合わせ窓口の情報だけでなく、商品の詳細検索やオンラインショップへのアクセスも可能です。ユーザーが必要な情報やサービスにスムーズにたどり着ける構成となっており、顧客体験を向上させる優れた活用例となっています。

CTAボタン:購入する
>>参考: Cartier カルティエ
フランス発の高級ジュエリーブランド「カルティエ」の公式Facebookページです。
このページでは、上質なキービジュアルを活用した画像投稿で商品イメージを効果的に伝えるとともに、プレスリリース向けのリアルイベントなど企業情報も発信しています。
コールトゥアクションボタン(CTA)は「購入する」ボタンが設定されていました。
このボタンは、オンラインショップへのリンクとなっており、シーズンごとにデザインされた華やかなWebページに遷移します。このリンク先は、単に購買を促すだけでなく、カルティエのブランドイメージを損なうことなく維持・強化する工夫がされています。これにより、購買行動をスムーズに促進すると同時に、ブランドの高級感や世界観を体感させる役割も果たしています。

CTAボタン:登録する
>>参考: Hulu ※英語アカウント
定額制動画配信サービス、Huluのアメリカ本社の公式Facebookページです。
アメリカ国内向けに新作や季節に合わせたコンテンツの紹介を継続的に行っています。
コールトゥアクションボタン(CTA)は「登録する」ボタンが設定されていました。サブスクリプション料金プランが一覧で表示されるWebサイトへのリンクとして機能します。
投稿では作品の魅力やイメージを伝えることに集中し、契約に関するアクションはCTAボタンに集約することで、効果的にコンバージョンを促しています。このシンプルかつ明確な導線設計は、サブスクリプションサービスならではの良い実践例です。

CTAボタン:再生する
>>参考: カップヌードル
即席麵をメインとした食品メーカー、日清食品の商品ブランド「カップヌードル」の公式Facebookページです。
上段の企業と同じように、他のSNSと同様の内容を横断的に投稿しています。ユーモアを取り入れた商品デザインやイメージを活かしたビジュアル中心の投稿が特徴です。
コールトゥアクションボタン(CTA)は「再生する」ボタンが設定されていました。
テレビCMやユニークな動画コンテンツのアーカイブが掲載されている公式Youtubeチャンネルへリンクされており、ユーザーを動画視聴へ誘導し、ブランドの世界観をさらに深く体験させる導線として効果的に機能しています。

まとめ:Facebookページからの離脱を防ぐコールトゥアクション(CTA)ボタン
デジタルマーケティングでは、離脱を防ぐことが必要とされているため、ユーザビリティを考慮して、可能性があるユーザーが欲求のまま行動に移しやすい状況を提供したいものです。
例えば、いま見ているSNS(Facebookページ)の投稿から、 改めてブラウザを立ち上げて検索しWebサイトやアプリダウンロードへ進むユーザーは少ない傾向にあります。
興味を持った潜在ユーザーが、ワンタップで回遊できるコールトゥアクションボタンの設定は、離脱を少しでも減らす対策の一つだと思います。
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